アパレル販売員が今日から使える実践ガイド
売れる販売員が実践する10のポイントと具体例
アパレル販売の仕事において、接客スキルは売上を大きく左右する重要な要素です。
どれだけ商品知識があっても、どれだけ経験が長くても、「お客様との会話の運び方」や「提案の仕方」が洗練されていなければ、購買にはつながりません。
しかし、接客には明確な“コツ”があります。
それを理解して実践すれば、誰でも「売れる販売員」に近づけます。
今回は、アパレル販売の現場で明日から使える接客のコツを10のポイントに整理して詳しく紹介します。
・初心者でも実践しやすい
・経験者のスキルアップにも最適
・アパレル業界全般に使える
・百貨店・ファッションビル・路面店すべてに対応
これらを意識した内容でまとめています。
ぜひ、次の接客から取り入れてみてくださいね。
アパレル接客の最初の勝負どころは、“声をかける前”です。
お客様は、店内に入る前から販売員の表情や姿勢を観察しています。
1.優しい表情(微笑み)
→「話しかけやすい」という安心感につながる。
2.背筋を伸ばした姿勢
→自信と清潔感のある印象になる。
3.視線はお客様の動きを自然に追う
→“気にかけてくれている”と感じてもらえる。
とくに表情は重要で、柔らかい笑顔をつくれる販売員は、自然とお客様が寄ってきやすくなります。
声かけのタイミングを間違えると、お客様は「買わされそう」と感じて距離を取ります。
NGな声かけ・「何かお探しですか?」
・「よかったら試着できますよ!」
・「新作どうですか?」
これらは圧が強く、距離を縮める前に逃げられてしまう典型例です。
正解は“情報提供型”の声かけ・「気になるものがあれば、サイズございますので声かけてくださいね」
・「今日は寒いですよね。新作のアウターが入ってきていますよ」
・「手に取ってくださっているアイテム、今とても人気なんです」
「あなたに干渉していませんよ。でも、有益な情報は提供できますよ」
という姿勢がベストです。
接客のスタートは観察力です。
観察するポイントは次の通りです。
・歩くスピード(ゆっくり→興味あり)
・目線の高さ(ディスプレイか、ラックか)
・触れる商品の素材(ニット好き・シャツ好きなど傾向が出る)
・バッグのブランド(好みの系統)
・全身のコーデカラー(暖色派/寒色派)
・今着ている服のサイズ感(ゆったり派?タイト派?)
これらを見ておくと、
・声をかけるタイミング
・どのアイテムを紹介するか
・どの提案が響くか
を判断しやすくなります。
接客は“当たり”が出ると一気に会話が弾むため、観察は最重要です。
アパレル接客では、説明しすぎると逆効果です。
しかし、説明が少なすぎても「買う理由」が弱くなってしまいます。
伝えるべきは3つの魅力だけ。
1.デザインの魅力
例:「ウエストラインが細く見えるシルエットです」
2.素材・機能の魅力
例:「ポリエステル混でシワになりにくいのでお手入れが簡単です」
3.使えるシーンの提案
例:「お仕事にも休日にもどちらにも合わせやすいですよ」
この3つが揃うと、お客様が商品を買う理由が自然に明確になります。
アパレル販売では試着の成功率が最重要。
ただし、押し売りはNGです。
・「実際に着ていただくと、ラインがすごく綺麗に出ますよ」
・「サイズだけ合わせて見ていただくとイメージしやすいです」
・「丈感だけでも、鏡で見てみませんか?」
「まずは軽く」誘うイメージです。
しゃべりすぎはプレッシャーに…
ドア越しに会話するなら、短く一言だけ。
・「サイズ感、いかがでしょうか?」
・「お色違い、お持ちしましょうか?」
この程度で十分です。
褒め方が浅いと、かえって逆効果です。
NG例・「似合ってますよ!」(誰でも言える)
・「可愛いです!」(説得力なし)
正しい褒め方・「肩のラインがきれいに出て、シルエットがすごく美しいです」
・「お持ちのバッグと色味がリンクして、統一感がありますね」
・「お肌のトーンとこの色がすごく合ってます」
お客様の“個性”に紐づいた褒め方は信頼度が上がります。
押し売りに感じさせないためには、提案は必ず一歩だけ先回りします。
悪い例(押し売り)・「このパンツも合わせられます」
・「このバッグも持てますよ」
良い例(自然な提案)・「トップスがシンプルなので、下を少しワイドにするとバランスが綺麗です」
・「お手持ちの黒コートに、この色を合わせると華やかになりますよ」
お客様の“今の情報”を拾いながら提案するのが売れる販売員の特徴です。
買うか迷っているお客様に「どうされますか?」と聞くと、買わない選択をしやすくなります。
代わりに、「決めやすい質問」に変えます。
・「色は、落ち着いた黒と明るめのベージュならどちらが使いやすそうですか?」
・「今のサイズで着心地は問題なさそうでしたか?」
・「お仕事と休日、どちらで使われることが多そうですか?」
お客様の思考を整理する手助けをするのがクロージングです。
売れる販売員は、今日の売上だけでなく次の来店も意識しています。
・「次の入荷が〇日にあるので、またぜひ見にいらしてくださいね」
・「本日のトップス、もしお手持ちのパンツに合うかご不安でしたら、また合わせにいらしてくださいね」
・「気になるアイテムがございましたら、お取り置きも可能です」
自然な形で伝えると、関係性が深まります。
意外ですが、売れる販売員は“売らない接客”が上手です。
・「今日は無理に決めなくても大丈夫ですよ」
・「また気が向いたら見に来てくださいね」
こう言われると、お客様は安心して商品を客観的に見られるようになり、結果として購入率が上がります。
安心感こそ最大の販売促進なのです。
アパレル販売で大切なのは、押さない接客・寄り添う接客・その人のための提案 です。
今回のコラムで説明したポイントをもう一度整理します。
1.第一印象は表情・姿勢・視線
2.声かけは軽く情報提供型
3.観察力でニーズをつかむ
4.商品説明は「デザイン・素材・用途」
5.試着は押さずに誘導
6.褒め方は“事実ベース”で
7.提案は一歩だけ先回り
8.クロージングは選びやすい質問
9.リピートにつながる自然な声がけ
10.売れる販売員は「買わなくていい」と言える
これらを意識すると、お客様から信頼され、結果として売上も上がります。
ぜひ、日々の接客に役立ててみてくださいね!

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