アパレル販売員、必見!

進出色と後退色を理解して“見せ方”を自在に操るコーデ術

色の視覚効果を使えば、誰でもスタイルアップ&似合わせが説明できる

アパレル販売員にとって「色」は、最も効果的で、最も説明しやすい接客テクニックのひとつです!

中でも今日解説する 進出色(しんしゅつしょく)後退色(こうたいしょく)は、プロが必ず押さえておくべき基本理論。

 

色が与える“見え方の錯覚”を理解すると、

・お客様のスタイルをよく見せる
・コーデにメリハリを作る
・なぜ似合うのかを言語化する

といった接客力が一気に上がります。

1. 進出色と後退色とは?まずは基本の理解から

進出色=手前に見える色

advancing color (アドバンシング・カラー)

赤・オレンジ・黄色などの暖色系、明るい色、鮮やかな色。
これらは視線を集め、膨張して見え、前に飛び出して見えるという特徴を持ちます。

 

後退色=奥に見える色

receding color (レシーディング・カラー)

青・緑・紺などの寒色系、暗い色、低彩度の色。
これらは引き締まって見え、距離が遠く見え、スッキリ見えるという特徴があります。

 

なぜそう見えるのか?

人間は太陽や火などの“暖かい光=近いもの”を連想し、海や夜空など“冷たい色=遠いもの”を連想します。

それがコーディネートにも影響し、色によって距離感の錯覚が生まれる→見た目が変わるという現象が起きます。

2. 進出色と後退色を理解するとコーデはこう変わる

トップスを明るく/ボトムを暗く

もっとも簡単で失敗しない黄金バランスです。

・トップスを進出色 → 顔まわりが明るくなり小顔に見える
・ボトムを後退色 → 下半身が引き締まり脚長効果

お客様からも「どうしてスタイル良く見えるんですか?」と聞かれることの多い組み合わせ。
理論を知っていると“感覚ではなく、根拠のある提案”ができます。

 

逆の組み合わせ=トップに黒、ボトムに白

これも素敵なコーデですが、黒トップスが後退して見え、白ボトムが進出するため相対的に“重心が下がる”印象になります。

体格や身長バランスによっては「なんとなくしっくりこない」という悩みに繋がることも。

提案時には「白パンツの時はトップスに少し明るさを足すとバランスが良くなりますよ」といったアドバイスが自然にできます。

3. スタイルアップに効く“進出色×後退色”テクニック集

3-1. 上半身に自信がないお客様

暗めトップス × 明るめボトム
後退色で肩幅や二の腕まわりをすっきり。
下に視線を逃がして体型を綺麗に見せる。

 

3-2. 背を高く見せたいお客様

全身後退色+縦ライン
紺、黒、チャコールなどの後退色で全体が細く、縦長に。

 

3-3. 低身長さん

トップス明るめ、ボトム暗め
靴もボトムと同系色に
重心を上に作ることで脚長効果が最大に。

 

3-4. 肌がくすんで見えると悩むお客様

顔まわりに進出色(暖色系)
光を集めるため表情がイキイキと見え、
「疲れて見える」悩みも自然に解消。

4. “なぜ似合うのか?”を言葉で伝える:信頼感が上がる説明術

アパレル販売員の接客で最も大切なのが、「説明できる」ことです。

・なんとなく似合う
・なんとなくスッキリ見える
では、説得力も信頼感も生まれません。

進出色・後退色を使うと、お客様が納得しやすい“理由”を端的に伝えられるようになります。

5. 現場ですぐ使える接客トーク例(そのまま使える)

トップスをおすすめしたい時

「この色は進出色なので、顔まわりがパッと明るく見えて好印象になります。写真映えもしますよ。」

 

細見え効果を強調したい時

「ボトムを後退色にすると脚がスッと細く長く見えるんです。特に黒やネイビーは引き締め効果が高いです。」

 

重心バランスを説明したい時

「明るい色は前に見える=重心が上がるので、身長が高く見える方が多いんです。」

 

白パンツに悩んでいるお客様へ

「白は進出色なので脚が強調されやすいんですが、トップスに明るさを加えるとバランスが整って綺麗に見えます。」

こうした“理由の説明”は、購買率を大きく上げる効果があります

6. パーソナルカラーとの違いも理解しておくと強い

進出色・後退色と混合してしまうお客様が多いため、販売員はこの2つの違いを明確に説明できると信頼感がさらに増します。

 

要素進出色・後退色パーソナルカラー
目的見え方・体型補整肌映り・似合う色
判断軸明度・彩度・色温度肌色・髪色・瞳色
効果スタイルアップ顔色が良く見える

 

この違いを整理して伝えると、“色に詳しい販売員=プロ”として信頼されやすくなります。

7. 進出色と後退色を使ったシーン別コーデ提案

ビジネスシーン

・トップス=明度高め(オフ白・ライトブルー)
・ジャケット=ネイビーや黒
→ 清潔感+小顔効果
→ プレゼンや商談シーンにも最適

 

デートシーン

・トップスに暖色系(ピンク・ベージュ)
→ 柔らかく優しい印象
・ボトムは後退色でスタイルアップ
→ 写真映えも◎

 

休日カジュアル

・全身淡いトーン×一部アクセントカラー
→ アクセントに進出色を一点入れるとこなれ感アップ

8. まとめ:進出色と後退色を理解するだけで“提案の質”が変わる

進出色と後退色は、一度理解してしまえば一生使える“スタイルアップの魔法”です。

 

☆ 顔まわりを明るく見せる
☆ 脚を細く長く見せる
☆ 全身の重心を調整する
☆ なぜ似合うのか説明できる
☆ 提案の説得力が一気に上がる

 

色には「視覚の錯覚」があり、これを理解して使える販売員はお客様の信頼度も、購買率も、リピート率も高くなります。

接客の現場では、“似合う理由を言語化できる販売員が選ばれる”という事実があります。

 

今回のコラムをきっかけに、ぜひ毎日のスタイリング提案に取り入れてみてくださいね。

 

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