ファッション業界のお役立ち情報

プレタポルテとオートクチュールとは?
ファッション用語の違いをわかりやすく解説

両者の違いや歴史、現代での位置づけ、具体例、ブランドなどを交えて丁寧に解説します。

はじめに:プレタポルテとオートクチュール、違いを知っていますか?

ファッション業界では日常的に使われている「プレタポルテ」と「オートクチュール」。

 

どちらもフランス語由来の専門用語ですが、一般的にはまだなじみが薄く、違いが曖昧なまま使われていることも少なくありません。

 

今回は、この二つの用語について、「意味・違い・歴史・具体例・現代での役割」などを丁寧に解説します。

ファッションに関わる仕事をしている方、勉強中の学生、販売員、デザイナーを目指す方など、どなたにも役立つ内容です。

プレタポルテとは?意味と特徴を解説

プレタポルテの語源と定義

「プレタポルテ(Prêt-à-porter)」は、フランス語で「すぐに着られる」という意味です。

英語でいう「レディ・トゥ・ウェア(Ready to Wear)」と同義で、既製服、つまり大量生産されたファッションを指します。

ブランドがデザインし、工場で生産された洋服が店頭に並び、消費者がそのまま購入・着用できるのがプレタポルテの特徴です。

 プレタポルテの特徴

大量生産・流通型
デザインは一定の方向性をもとにシーズンごとに発表され、サイズ展開もS/M/Lなど規格が決まっています。

 

価格帯は幅広い
ハイブランドからファストファッションまでプレタポルテに含まれます。

 

ファッションの主流
現代のファッション市場における圧倒的多数がプレタポルテです。

プレタポルテの代表的ブランド

・シャネル(CHANEL)※プレタポルテとオートクチュールの両方を展開

・ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)

・セリーヌ(CELINE)

・ユニクロやZARAも広義にはプレタポルテに分類されます

オートクチュールとは?高級注文服の世界

 オートクチュールの語源と定義

「オートクチュール(Haute couture)」は「高級仕立て服」という意味で、個人の注文に応じて一点ずつ丁寧に仕立てられる、最高級のオーダーメイドファッションです。

オートクチュールの特徴

完全オーダーメイド
顧客一人ひとりの体型、要望、好みに応じて仮縫い・調整を繰り返し、時間をかけて制作されます。

 

職人技の集大成
刺繍、レース、ドレーピングなど、職人たちの手仕事によって完成する一点もの。

 

希少性が非常に高い
世界でもオートクチュールを制作できるブランドは限られており、フランス・パリの「オートクチュール組合(Chambre Syndicale de la Haute Couture)」が正式な認定を行っています。

 オートクチュールブランドの条件(公式認定基準)

・パリにアトリエがあること

・年に2回以上、パリでショーを行うこと

・手仕事で洋服を作る職人が常駐していること

 

など、厳格なルールが設けられています。

オートクチュールを扱う代表的ブランド

・シャネル(CHANEL)

・クリスチャン・ディオール(DIOR)

・ジャンポール・ゴルチエ(Jean-Paul Gaultier)

・エリー・サーブ(Elie Saab)

・ジャンバティスタ・ヴァリ(Giambattista Valli)

オートクチュールとは?高級注文服の世界

項目プレタポルテオートクチュール
意味既製服高級注文服
製造方法大量生産手作業・一点もの
サイズ展開規格サイズ個別調整
生産コスト低〜中非常に高い
流通店舗・EC等限定された顧客のみ(一部店舗)
ブランド数非常に多い世界で十数社のみ
顧客層一般消費者一部富裕層・芸能人

歴史的背景:プレタポルテとオートクチュールの発展

オートクチュールの始まり

19世紀後半、ファッションデザイナー「チャールズ・フレデリック・ワース」がパリで「仕立て屋」ではなく「デザイナー」として服を提案するスタイルを始めたことが、オートクチュールの始まりとされています。

それまでは個人の仕立て屋に依頼するしかなかったドレスメイキングに、クリエイティブな視点が加わりました。

プレタポルテの登場と大衆化

第二次世界大戦後、消費の拡大と産業の機械化により、「大量生産されたファッション=プレタポルテ」が登場。

1960年代にはイヴ・サン=ローランやピエール・カルダンなどがプレタポルテラインを発表し、高級ブランドでも既製服が広がっていきました。

アパレル販売員・求職者が知っておくべき理由

アパレル販売員やファッション業界を目指す方にとって、「プレタポルテ」「オートクチュール」の理解は基本中の基本です。

接客で活かせる知識

・ブランドや商品の説明時に「プレタポルテであること」を伝えることで安心感を与える

・「オートクチュールのような仕立て」「ディテールへのこだわり」などの表現が使える

面接・就職活動でも役立つ

・ブランドによっては面接で「オートクチュールとプレタポルテの違いを知っていますか?」といった質問があることも

・学校・養成機関でも理解が求められる基礎用語

現代における役割と価値

 プレタポルテの現代的意義

・SNS・ECの普及で流通がより拡大

・トレンドの加速度的な拡散により、マス市場向けの対応力が重要に

・ファストファッションの台頭により価格競争が激化

オートクチュールの現代的価値

・ブランドの「顔」としての存在

・富裕層マーケティングの要

・伝統技術とサステナビリティの象徴

・アート作品としての位置づけ

まとめ:違いを理解することで、ファッションの世界がもっと面白くなる

プレタポルテとオートクチュールは、単なる「既製服」と「注文服」の違いにとどまらず、ファッションの歴史・価値観・ビジネス構造を理解するための重要なキーワードです。

現代のファッション業界では、プレタポルテが主流でありながら、オートクチュールは今なお憧れや伝統の象徴として存在しています。

アパレル販売員、デザイナー志望者、ファッション業界の就職を目指す方にとって、この違いを正しく理解し、言葉にできるようになることが、次の一歩へつながる知識となるでしょう。

 

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