アパレル販売員、必見!
― 脳科学と販売心理に基づく立ち位置の法則 ―

アパレル販売員の仕事は、「話しかけ方」ひとつで印象が大きく変わる仕事です。
同じトーン、同じ言葉でも、立ち位置や接近する角度が違うだけで、お客様の反応が驚くほど変わる――。
その中で最近注目されているのが、
「右から声をかけると、印象が柔らかくなる」「拒否されにくい」といった心理的効果。
実はこれ、ただの都市伝説ではなく、人間の脳の構造・心理的パターンに深く関係しているのです。
この記事では、脳科学・心理学・接客実践の3つの視点から、
「右から話しかける」ことの意味と効果を詳しく解説していきます。
人間の脳は左右で役割が異なります。
左脳:言語、論理、分析、思考を担当
右脳:感情、直感、イメージ、感覚を担当
この性質から、右側から話しかけられると左脳で処理され、冷静に受け止めやすいのに対し、
左側から話しかけられると右脳が働き、感情的な反応を起こしやすい傾向があります。
つまり、販売員がお客様の**右側(お客様から見て右側)**から声をかけることで、
相手の脳は“理性的に”反応しやすく、落ち着いた印象・安心感を与えることができるのです。
この脳の働きは、医療・教育・営業などの分野でも応用されており、
たとえば医師が説明を行う際や、カウンセラーが相談者と座る位置を決めるときにも活用されています。
接客で最も避けたいのは、「お客様を驚かせる」「圧を感じさせる」ことです。
左側や正面から急に声をかけると、お客様の視界に突然販売員が入る形になり、
無意識に「防御反応」が働く場合があります。
対して右側は、人間にとって比較的“安心できる方向”とされ、
自然な流れで販売員を視界に入れることができます。
結果として、お客様のパーソナルスペースを尊重した接客が可能になります。
日本人の約9割は右利きです。
そのため、お客様にとって右側は“使い慣れた方向”であり、
物理的にも心理的にも防御意識が薄いエリアです。
たとえば、右手で商品を手に取っているときに、同じ右側から声をかけられると、
自然な流れで顔を向けやすく、違和感がありません。
一方、左側から声をかけられると、体の動きを大きく変えなければならず、
それが「少し面倒」「警戒する」感情を生むこともあります。
販売員が右斜め前から穏やかに声をかけると、
お客様の脳はそれを「安全な接触」として認識しやすくなります。
結果的に、初対面であっても自然な会話が始まりやすくなり、
信頼関係(ラポール)を築く第一歩になります。
お客様がハンガーをめくって商品を見ているとき、販売員が右後方または右斜め前に立つと、
自然な角度で声が届きやすく、圧を与えにくいです。
例文:
「そのシリーズ、今季人気なんです。素材もとても軽いですよ。」
左側や真正面に立つと、「急に話しかけられた」と感じられやすいので注意。
お客様が鏡で合わせているとき、右側から少し距離を保って話しかけると自然です。
例文:
「もしよければご試着もできますので、サイズ感を見てみられますか?」
この距離と角度を守ることで、“売り込まれた感”を与えず、安心して提案を受けてもらえます。
接客中、お客様が会話に集中しているときに、
販売員が右前方45度の位置をキープすると、
お互いに心地よい距離感で話が進みます。
この位置関係は、心理学的には「協調ポジション」と呼ばれ、
ビジネス会話やカウンセリングなどでも好まれる立ち位置です。
お会計時や商品をお渡しする場面では、
お客様の動線を妨げないよう、右側から自然にサポートする意識を持ちましょう。
特に百貨店や高級ブランドでは、
「右手で商品を受け取ってもらう」動線設計がされている店舗も多く、
立ち位置の意識がブランド体験の質を左右します。
人には「パーソナルスペース(心理的な縄張り)」があり、
その範囲に不用意に入ると、不快感や緊張を感じます。
接客では、お客様の正面2m以内は慎重に扱うべき空間。
正面から急に近づくよりも、右斜め方向からゆるやかに入る方が、
お客様の警戒心を抑えつつ自然に距離を縮めることができます。
この「距離の取り方」と「方向性」は、
第一印象の形成に大きく影響するため、接客スキルの基礎として身につけたいポイントです。
右側から声をかけることが目的ではなく、
お客様の動き・目線・興味の方向を観察して「自然なタイミング」を見極めることが大切。
観察力を鍛えることで、立ち位置もより的確になります。
右側から話しかけても、声が強すぎたり距離が近すぎると逆効果。
柔らかい声・少し下げたトーンで話すと、より心理的に穏やかな印象になります。
右側から声をかける最大の目的は、
「売り込まれた」と感じさせずに“受け入れやすい環境”を作ること。
そのためには、常に「お客様目線」で立ち位置を調整しましょう。
すべての状況で右側から立てるとは限りません。
たとえば、通路が狭い・什器配置の関係で左側しか空いていない場合もあります。
そのようなときは、
お客様の「視界の中」にゆっくり入り、
正面や左側からであっても“安心感のある距離”を保ち、
声のトーンを落として穏やかに話しかける
この3つを意識すれば、方向に関係なく心地よい接客ができます。
優秀な販売員ほど、無意識に「立ち位置」をコントロールしています。
それは、単なる接客マナーではなく、お客様との関係構築の技術です。
右側からのアプローチは、単なる“位置の工夫”ではなく、
「お客様に心地よく商品を選んでもらう空間設計」の一部。
この細やかな気配りが、結果的にリピーターや顧客満足度を高める要因となります。
右側からの声かけは魔法ではありません。
ただ、そこには人間心理に基づく確かな理由があります。
販売員が立ち位置を意識するということは、
「お客様の心の動きに寄り添っている」という証拠。
「右から声をかける」は、単なるテクニックではなく、
“お客様にとって心地よい距離を作るための姿勢”なのです。
明日からの接客で、ぜひ意識してみてください。
ほんの数十センチの立ち位置の違いが、お客様の心を動かすきっかけになるかもしれません。
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